アカシックレコードと阿頼耶識

思想/哲学

アカシックレコードと阿頼耶識

私たちの周りはもちろん、この宇宙のあらゆる所に、ゼロポイントフィールドという場所があり、
そこには、宇宙をも 誕生させてしまう程の 無限のエネルギーがある・・・。
この世界は、そこから生まれ、私たちもそこに還っていく・・・。
そして、ゼロポイントフィールドには、宇宙誕生以来の すべての情報があるとも考えられています。

これが、最先端量子論の、ゼロポイントフィールドの仮説ですね。

もちろん、まだ仮説の理論ではありますが、この理論が解明されていくと共に、
宇宙誕生の秘密や、人間の 生死の仕組みなど、目に見えない世界に対する 多くの真実が明らかになっていくはずです。

ゼロポイントフィールドの概念は、近年のスピリチュアル業界で言われている アカシックレコードや、
仏教の阿頼耶識の概念に、非常に酷似しているので、対比させつつ考察してみますね。

アカシックレコードは、宇宙誕生以来の、あらゆる過去の情報がある場所とされています。
元々は、すべての始まりの時からの、過去の事象や、想念、感情などが記憶されているという概念です。

正しくはサンスクリット語で「アカーシャ」といい、古代インドでは 「虚空」 色も形も何もないけれど、全てのものが存在する場所、という意味のようです。

最近のスピリチュアル業界では、「宇宙図書館」など様々な表現で呼ばれていますね。

アカシックレコードは、近代神智学で生まれた言葉です。

神智学は、神のような大いなる存在のもたらした、神秘的なものの 知識を得て、大いなる存在を理解し、近づこうとするもの。
元々は西洋で生まれたものなので、西洋の神に近づこうとする 目的があったと思われます。
宗教との違いは、宗教が、より実践を重んじていたのに対し、神智学は 智、すなわち知識や理解を主にしていたと考えられますね。

18世紀になり誕生した 近代神智学は、西洋の キリスト教的な思想と決別し、仏教や ヒンドゥー教などの 東洋思想を取り入れた、思想体系です。

今では当たり前のように受け入れられている、輪廻転生や、カルマの概念などは、ここで西洋思想と融合しました。

現在の西洋占星術やタロットなどの占いを始め、近代の心理学や哲学のルーツ と言ってもよいほど、大きな影響を残しました。
現代の「占いの解釈」にも、この思想観が強く反映されていると見ています。

この時、取り入れられた仏教思想に、阿頼耶識の概念があります。
アカシックレコードとは、阿頼耶識を近代風に表した言葉だからです。

阿頼耶識は、アカシックレコードを、さらに言えばゼロポイントフィールドの概念を、もっと深く示しています。
人間の心の働きや、この世界が誕生する仕組みを、より明確に説かれた思想です。
深く掘り下げたいので、次回改めて考察しますね。

今回は、アカシックレコードや、ゼロポイントフィールドにおける、ある重要なテーマをピックアップします。

どちらも、宇宙誕生以来の、すべての過去の情報がある場所 という概念ですね。
それでは、過去だけではなく、未来の情報もあるのか?という疑問が生じます。

占いなどが当たるのは、未来が決まっているからではないか、と思っても当然かと思います。
まだ占星術は、統計学的な学問の要素が強いのですが、タロットなどは、どう考えても統計的とは言えず、アカシックレコードのような「何か」にアクセスしているとしか思えないからです。

もし、アカシックレコードや、ゼロポイントフィールドの中に、未来の情報もあるとすれば、
未来は決まっていることになります。

人間の運命は決まっていて、それを変えることができないとする思想を、宿命論といいます。
未来は決まっていて、それを変えることができないとする思想を、決定論といいます。

これが正しいか、どうなのか・・・
このテーマは、遥か昔から、人類が謎とし、答えを求めてきたものではないでしょうか?

仏教の阿頼耶識の思想には、明確に答えが示されています。

阿頼耶識の中には、人類の記憶が、写真や日記のように、データみたいな形で残っている訳ではありません。
だから「図書館」というのは、あくまでイメージだと考えた方がいいでしょう(笑)
そこには、人類はもちろん、すべての生命の過去の「結果」が「業」という形で残っていると説かれています。
その業が「種」となり、今の現実という形で、花が咲くのだという思想です。

これは、未来を創る「原因」となる今も、阿頼耶識にどんどん貯蔵されていくことになりますね。
すなわち、今を変えれば、未来は変わっていくことがわかります。

ただし、過去に積んでしまった「業」の存在もあります。
まだ 「種」のままのものも残っているはず。
だから、未来は全く決まっていないわけでもなく、「確率の高い未来」はあるはずです。

ここで、過去の「業」を変えられるのか・・・ということがポイントになります。

仏教の歴史を紐解くと、
インドから中国に渡り、日本に伝わってきた仏教には、過去の「業」を変えていくための法が説かれています。

しかし、インドから西洋に・・・すなわち、近代神智学の基礎となった仏教には、「過去の業は変えられない」と受け取れる教えが伝わっている・・・と考察できるのです。

だから近代神智学からの流れの、近代思想のベースには、
未来は決まっている、だから未来は予想することができる、という考えが根っこにあることがわかりますね。

当チャンネルで紹介している「親子で星よみ」が、「なんか普通の占星術と違う」と感じた方は正解です。
占星術は、基本は未来を予測するもの、いわゆる 占いのジャンルになります。

しかし、当チャンネルでは、「今を変えることで、未来はいくらでも変わる」という前提で、
「今の自分を知り」「今をどう変えていけばいいのか」をテーマにした題材を、これからも提供していきますね。