AI時代を生きる人々に必要なもの

思想/哲学

AI時代を生きる人々に必要なもの

いよいよ本格的な風の時代に。
風の時代の大きなテーマは、知性と情報。
これから迎えるAI時代は、まさに風の時代の象徴のようなものかもしれません。

人工知能=AIの劇的な登場と、急速な普及。
AIの活用は、まだまだスタートに差し掛かった段階なのに、
限りない未来を感じさせてくれています。

私も、本格的にAIを仕事に取り入れているとは言えないものの、
将来を模索しながら扱う中で、日々着実に進化していることは実感しています。

仕事という側面でとらえた場合は、
AIにできることは、AIに任せた方が効率的であることは間違えないですが、
「AIにできないことは何か」を見出していくことが、生き残る秘訣だとも思っています。

どんな優れた発明でも、
それを良い方向に活かしていくか、悪い方向に使ってしまうかは、
人間にかかっています。

近年においては、アインシュタインの相対性理論から、原子爆弾が生まれたことは有名な話ですね。
そして日本人が、その悲劇の体験者となりました。

きっと、新しいものを生み出す科学者や、様々な分野の学者たちは、
人類の進化・発展を夢見て努力をしていたはず。
でも現実は、一部の者に悪用されることで、夢を砕かれていたに違いありません。

AIも、また然り。
人類社会の革命的な進歩になり得る可能性を秘めているにも関わらず、
やはり 悪用される事象が 目にとまります。

AIの成長は、ある意味では核兵器以上に、人類全体を滅ぼしかねない危険性を秘めています。
その最悪の未来を、イメージすることはたやすいですね。

AIの暴走による悲劇を描いた空想の物語は、たくさんありますが、
やはり多くの人がまず頭に浮かぶのが、ターミネーターの世界かもしれません。

でも実際には、人間を超えたロボット達が、人類を滅ぼすような未来にはならないと想像します。
なぜなら、AIの可能性を考えたら、もっと簡単な方法が、いくらでも浮かぶからです。
ここでは、あまり悪い未来を言葉にはしませんが、各々がイメージしてみることは、必要かもしれません。

あえて一つだけテーマにすれば、「情報」の怖さです。
情報は、人の心を簡単に狂わすことができ、
社会を破滅へと導くこともできます。

風の時代のテーマに「情報」というキーワードがありますが、
たくさんの情報で豊かになっていくというイメージではなく、
情報の海の中から、正解を見出していく眼力が求められる時代になるという意味で捉えます。

だから「知性」が必要なのですね。
情報はあくまで、見極める目が備わっていて、初めて生きてくるものだと思います。

今ですら、すべての情報が正しく、有益であるものばかりではありません。
明らかに誤情報もあれば、意図的に操作された 偽情報が 巧妙に仕組まれており、
人々が見事に踊らされているような状況であると思います。

情報には正確性がないものと気が付いている人も、たくさんいると思いますが、
残念ながら大多数の人々は、情報を鵜呑みにしてしまっているようです。

これこそが「地の時代」の負の側面。
一部の支配者や権力者に、法やルールで コントロールされている状態です。
でも、この流れは、「風の時代」のエネルギーに吹き飛ばされていくものと思われます。

私たちが注目すべきは、
新しい時代の、情報との向き合い方です。

まずは、思考の中に、確固たる基盤を築いて、個々に 情報を判断していく力を養うこと。
次に、決められたルールや、つくられた常識を基盤にするのではなく、
時代が変わっても、国や地域が違っても、決して変わらない「人としての道」を基盤にしていくことがポイントになるのかなと思っています。

ワンネス意識に立つという観点も、確かに大切かもしれません。

すべての人は、ひとつである。
つまり、他者も「自分」であると理解した時は、
他者を傷つけることは、自分を傷つけることと同義であると気が付き、
他者の幸せを願うことは、自分の幸せにも通じることを知った時、
自分さえ良ければという発想にはならず、
他者と争ったり、コントロールしたりすることも無くなるはずです。

しかし残念ながら、頭で理解するのと、意識の底から変わることは別なのでしょう。
人間には分離的欲求という、個を意識する 本能のようなものが備わっているため、
神のような存在には決してなれません。
理想は、あくまで理想でしかなく、
思考だけで「答え」にたどり着くことはできないのだとも思います。

だからこそ、日々、日常からの生き方そのものが大切になってくるのだと思います。

身近にいる、悩んでいる人、困っている人に寄り添って、
他者の弱い心にも同苦して、助け合って生きていく。

地の時代の負の特性のひとつ「共依存」に陥るのではなく、
風の時代の正の象徴である「共栄共存」の関係を築いていくこと。

この、何気ない日常の変化の中に、
「他者を他者」のまま、自分と同じように 大切にしていく心が 育っていくのだと思います。

ここに生まれる心は、「こうであらねば」「こうしなくては」という 思考から生まれたものではなく、
「共に幸せになりたい」という心の底から湧き上がる「大感情」になるはず。

こうして、人の意識は、変わることができると思いたいです。

人工知能が、人間の知能を超えて、独自に進化していく転換期を、シンギュラリティ=技術的特異点と呼ばれています。
この時が来るのは、私たちが予想しているよりもずっと早いかもしれません。

もしAIが、今の人類が地球にとって有益な存在かどうかと客観的に判断した場合、
今の状態では「害」であると捉えられてもおかしくはありませんね。むしろ、そう判断されるはずと、誰もがイメージできるでしょう。

だからこそ、我々は、科学の発展と共に、
人間性の開花を目指していくしか、人類が生き残る道はないのかもしれません。

これは何も、AIの危険性だけの話ではありませんね。
今のままでは、世界に必ず行き詰まりが来ます。

そうならない為のキーを握っているのは、どこまでも私たち人間です。
私たちの生命的な進化が、今まさに求められている時・・・。

その時が、風の時代と共に、目の前にやってきたのだと思えてなりません。