過去世のカルマは乗り越える為にある

私たちの人生には、なぜ苦しみや悲しみ、困難や障害があるのでしょうか？

人間は自然界の頂点に位置します。他の生物にはない、感情や心を持っています。

動物たちも何かを感じているようです。
死に対する本能的な恐れもあるようです。
しかし人間だけが、複雑な心があるが故に、苦しみや悲しみ、恐れや怒りなどの負の感情に囚われてしまいます。

時にはトラウマのように、現実に起きてもいない状況でも、
何かを想像したり、過去を思い出して苦しむこともあります。

肉体を持つ三次元のこの世界には、様々な苦しみがあるけれど、
高次元の精神世界には苦しみも悲しみも、感情すら存在しないと。
私たちの魂の本質は、高次元の世界に生きているのだという話もよく聞きます。

では何故、わざわざこの世界に生まれてきているのでしょうか？
永遠に精神世界にいられれば、永遠の幸せに包まれていられるのではないでしょうか？

ワンネスでいうところの、全てが一体化した状態で、完全なる生命体として永遠に生き続けた方が、幸せなのではないでしょうか？

こう感じてしまっても、不思議ではありません。

私たち人間は、なぜこんな不完全な形で生まれてきているのでしょう
宇宙は、人間に、何を求めているのでしょう

もし宇宙が永遠に完成された状態であったとしたら、それは変化のない状態になってしまうと思います。
変化がないという事は、成長をしないという事です。
そして、成長しないという事は、その状態を保ち続けられるという事ではなく、終局に向かっていくのだと思います。

人間の人生も同じですね。
幸せで平穏な時というのは、ずっと続きません。平穏な時に、成長を忘れたら、必ず落とし穴が待っているはず。

そもそも今の現実で、何も変わっていかなければ、近い未来に滅びそうですね。
戦争で滅ぶか、自然災害で滅ぶか、食糧難などで滅ぶかはわかりませんが、
「人の心」が成長しなければ、滅びの方向に向かっていることだけは確かだと思います。

人間は心を成長させるしかない。しかし何かがないと成長できないから、その人生において、苦難や障害が起こるような仕組みなのかもしれません。

きっと、地球上の生物の中で、人間にだけ感情と心を与えられ、
私たち人間が成長していくことにより、宇宙を成長させていくという使命があるのかもしれません。
こう考えると、宇宙と呼んでいるものは、生きている「生命」なのだと改めて感じます。

さて、今の「私」の状況には、必ず過去に原因があります。
もし何かの悩みを抱えていた場合は、その原因となる過去があるはずです。
しかし、必ずしも今世にその原因があるとは限らず、過去世に原因があることも多いはず。

過去世からのカルマ＝業は、無意識の奥に記憶されているので、大きいカルマほど意識では自覚できません。
根源的な業になればなるほど、まるで思い出したくないかのように、自覚していることはまずありません。

さらに言えば、この時代の日本に生まれたこと自体が、過去世での共業の結果です。
でもそれを、自分の業として捉えることは難しいかと思います。

占星術の過去世リーディングで、自分の傾向性を探ることはできます。
原因をイメージできれば、未来も予測することが可能です。これは将来の対策ができることを意味します。

雨が降ると予想できたら、傘を持って出かければいいのです。
ところが、大地震が来ると予想できていたとしても、そんなの来ないと思い込んでしまうのでしょう。
このように、カルマの試練に巻き込まれていくのだと思います。

カルマは受ける為にある？

今世で悪いことをしたら、必ず自分にもっと大きな罪となって返ってくるはず。
一生のうちには返しきれない罪を犯してしまうかもしれませんね。

そして人間の作った法律など、社会の秩序を守るためのものでしかなく、
法で裁かれる罪など、生命の次元から見た場合は、きっと小さなことなのだと思います。

自分のつくった負の原因による報いは、死後の世界でも、何度も転生した先の人生でも苦しみ続けていくはずです。

この単純な道理を知れば、過去世の業に直面することは、避けるべきことではないのかもしれません。
むしろ自分の生命に刻まれた罪を精算することで、より清らかな自分に変わっていけるチャンスなのだと思います。

過去世リーディングを学んでいると、気がつくことがあります。
私たちには生命の癖というものがあるので、自分がその癖を直さない限り、同じ失敗を繰り返してしまうのです。
つまり業に直面した時に、その業を乗り越えない限り、また過去世と同じように業をつくっており、
結果としてカルマを積み重ねてしまうのです。

わかりやすく言えば、業を克服しないと、今世は落第して、来世でもっと悪い状況でやり直しさせられるのです。

今の状況の原因となっている過去世にも、さらにその前の過去世があります。
もし私たちが感じている時間軸での、人間としての「始まりの時」があった場合、
私たちは、決意してきました。約束してきているのです。

人間としての人生で直面する悩みや苦悩も、過去世からの業といえども、
それを一つずつ乗り越えることで、生命を成長させていくこと・・・
そして同じように苦しんでいる他者に、希望と勇気を与える為に、あえて試練に直面していくこと・・・

すべてが自分で決めて生まれてきているのですから、
この約束を思い出した時には、自分の器以上の越えられない業ではないと気が付くはず。

まさに、この時は、
宇宙の成長と共に、新しい世界に生きる自分に、バージョンアップさせられる時なのです。
同時に、私たちが成長すること自体が、宇宙をも成長させ新しい世界を創ることに繋がるはず。

だから、現実世界に大きな悩みや困難が生じたら、私たちは喜ぶべきなのでしょう。
きっと無意識の私は「よし! 今こそ成長できるチャンスが来た!」と喜んでいるに違いありません。