物質の最小単位は、点ではなく、ひも?

科学/心理学

物質の最小単位は、点ではなく、ひも?

私たち人間はもちろん、この世界をつくっている 物質の全ては、原子の集まりでできていると 習ってきましたね。
しかし量子の世界では、原子よりも更に小さい、物質の最小単位を 素粒子と呼び、
素粒子は、粒子と波という、全く異なる二つの性質を持つことを学びました。

私たちが「確かにある」と思っていた 物質の元は、目には見えない「波」でもあったのです。

更に最先端の量子力学では、素粒子の元ともいえる 本当の最小単位は、
いわゆる「点」のようなものではなく、「ひも」ではないかという理論があります。

これが「超ひも理論」「超弦理論」と呼ばれるものです。

超ひも理論は、まだ完全に証明されていない仮説の理論なのですが、
もしこれが正しければ、世界の真実の多くを解明できると、非常に期待が持たれています。

ここでは、超ひも理論の基本の基本だけお話しした上で、
この理論が、私たちの生命の神秘と どう関わってくるかを イメージしてみますね。

私たちの生きている この現実世界は、私たちの意思の力でできている・・・
その可能性を少しでも感じて頂けたらと思います。

さて、現在発見されている17種類の素粒子には、
クォークや電子など、物質をつくる素粒子の仲間 フェルミ粒子・・・
光子など、エネルギーのような素粒子の仲間 ボース粒子があります。

人の想いなども、ボース粒子ではないかと言われていますね。

今後も新しい素粒子が発見されていくだろうと、期待されています。

そして、これらの素粒子は、点ではなく、長さがあるひも ではないかと考えられたのです。
「ひも」は常に振動していて、この振動の違いが、様々な素粒子の違いなのではないかという理論が、超ひも理論です。

ここで抑えておきたいポイントは・・・
このひもは、太さがないと考えられていること。そして常に振動している・・・つまり 変化しているということです。

私たちの世界をつくっている最小単位は、
太さがないひも・・・!「あると言えばある」が、「ないと言えばない」ともいえるものでできているということ。
私たちが現実世界で、変わらないと思っている「物」でさえも、実は常に動き続けているのだということ。

これが、最先端の科学の視点から見た、私たちの世界の姿です。

私たちが宇宙生命と呼んでいる、目に見えない世界は、太さがないひもの集まりでできており、
そのひもが振動するから、現実世界という 目に見える世界も現れる。
「目に見えない世界」と 「目に見える世界」 どちらが正しく、どちらかが間違えているのではなく、
そのどちらも正しいのだと、捉えることができるのではないでしょうか。

現在の科学の大きな課題は、
宇宙など 広大なマクロの世界の法則を示した、相対性理論と、
素粒子のような ミクロの世界を法則を示した、量子論の主流に、矛盾があること。
重力についての理論において、両者に食い違いが生じているのです。

もし超ひも理論が証明されたら、両者の矛盾を解消する、いわゆる 統合理論となることが期待されています。
まだ発見されていない、重力の 元となる 重力子の存在が発見されたら、
科学の世界は、また一段、大きな階段を上がることになるでしょう。

さて、超ひも理論には、もう一つ知っておきたい、大きなポイントがあります。

私たちが生きている空間は、縦・横・高さのある、3次元の世界であります。
ここに時間軸が加わったものが、4次元と言われています。

もし超ひも理論が正しければ、ひもの振動には更にバリエーションが必要で、
数学的な計算の上では、10次元や 11次元以上といった、次元が必要になるそうです。

ここで「次元」の概念も抑えておきましょう。

別の次元の世界といえば、
私たちが生きているこの世界の外に、目には見えない異なる世界が存在するのではないかとイメージしますね。

3次元以上の世界は、図に表すことができず、具体的な形でイメージすることが難しいのですが、
あえて言葉にすると、
次元が高くなるごとに、今の次元よりコンパクトに 折り畳みこまれることで、まるで隠れるかのように、意識できなくなっていく・・・ということになるのでしょうか・・・

科学の表現って難しくなりますね。これを哲学的に表現すると・・・

別次元の世界は、私たちが生きている 3次元の世界の 外にあるのではなく、
私たちの内・・・つまりは心の中にある、と言えるのではないでしょうか。

仏教を説いた釈迦も、当時の世界観を元に、地獄界や、人界、天界などの世界観を説きましたが、
最終的には、それらの世界は、すべて自分の心の中にある、生命の働きなのだと明かされました。

全ての人の心の中には、私たちが 高次元と呼んでいる世界が備わっています。

超ひも理論は、これまでの量子論の様々な仮説を 解明していくことになる とも言われています。

以前に紹介した、多元宇宙などの 答えが出てくるかもしれませんね。
高次元の空間には、数えきれない程多くの別世界があると考えられるのです。

しかしこれらの世界といえども、私たちの世界の外にあるのではなく、
人間の生命の内、私たちが「宇宙生命」と呼んでいるものの中に備わる、無限の可能性であると 捉えることができますね。

科学者でない私たちは、世界の真実を、科学的に追求したくても、できるものではありません。
でも、人間の心の世界は、もっと深く探究してみたいですね。

こうして科学の知識の一部に触れることで、
人間の生命の奥深さを、少しでも感じて、興味を深めて頂けたら嬉しいです。